白音若菜が、機長から話があると伝言を持ってきた。
彼女に連れられてCAルームを訪れると、今はコパイに操縦を任せているという機長が待っていた。
彼が切り出した話とは、御剣の身をもう一度拘束するというものだった。
「なんだと!? 私は犯人ではないと説明したはずだ! その上で木之路さんから許可を得て…」
「だからぁ、みつるぎさんを自由にしたのは、このみちさんの独断なんですってば」
ね、機長さん、と若菜が甘えた声で同意を求めると、機長はもっともらしく頷いた。
「この機に乗っている間は私の指示を聞いてもらいますよ」
「しかし!」
さらに抗議しようと御剣が機長に詰め寄った瞬間、「不良乗客にはお仕置き〜」という若菜の声と共に後頭部に衝撃を受けた。
意識を取り戻した時、正面に見えたのは天井だった。
「あ、起きましたぁ?」
「なっ、なにをしている……っ!」
下腹部を直に触られている感覚に驚いた御剣は、飛び起きようとしたが叶わなかった。
無様に床に転がされ、手首は頭の上でまとめて拘束されている。
手首を縛っている縄はベッドの一部に結びつけてあるようで、力いっぱい引っ張ってもびくともしない。
そして、
「なんのつもりだ!!」
シャツは着たままだったが、胸を大きくはだけられ、下半身にいたってはすべて脱がされていた。
しかも首には、感触からして革の紐が巻きつけてあるようだった。
「みつるぎさんが悪いんですよぉ? 色々かぎまわったりするから」
「……? それは、どういう……グゥッ!」
御剣は最後まで言葉を続けられなかった。
ただ巻いてあるだけだと思っていた革紐がいきなり首を締め付けた。
「……だってほらぁ、他のお客様のご迷惑になりますし〜」
うっすらと笑みを浮かべる若菜は、御剣の首元へ繋がっていると思しき革紐を手にしていた。
犬のしつけに使うチョークカラーのような物を着けられていると御剣は悟った。
紐はすぐに緩んだが、いつ再び締められるか分からない。
御剣の顔に走った緊張を見て取ったのか、
「いい子にしてれば酷い事なんてしませんよぅ」
と若菜が嘲笑うように言う。
「ホントは私が乗っかる予定だったんですけど〜。だったら協力しないって機長さんが言うから…」
「当然じゃないか若菜ちゃん! ぼく以外の男とそんな事しちゃダメだよ!」
存在を忘れかけていた機長の金切り声が御剣の死角から上がった。
「……という訳なので。私の代わりに機長さんが可愛がってくれますからね〜」
「くっ……!」
御剣は体勢を変えてなんとか起き上がろうとしたが、即座に首を締め付けられ、抵抗を諦めるしかなかった。
CAルームに淫靡な水音が満ちている。
機長が御剣の股の間に陣取って、一心不乱に腰を振っていた。
一方、胸は若菜が指と舌を駆使して弄んでいる。
「みつるぎさんって凄くおっぱい感じちゃうんですねぇ。乳首でこんなにヨがる男のヒトって珍しいですよぉ?」
「はぁっ……ぁぅ……あっ…あっ…」
「触ってないのにオチンチンもカチカチですね〜。お尻に入れられるのってそんなにイイんですかぁ?」
じわじわと言葉で嬲られながら、敏感な胸の先端に歯を立てられ、御剣はたまらず身をよじって声を漏らした。
「うわぁ、えっちな声〜。全身開発済みって感じですよねぇ。なぁんか機長さんもいつもより盛り上がってるみたいだし……」
「ご、誤解だよ、若菜ちゃん! ただ、この検事さんの、締め付けが…っ、すごくて……ううっ」
腰を激しく振り立てていた機長が、だらしない声を上げて射精した。
ふぅっ、と満足そうな息を吐いて御剣から身体を離す。
ペニスを抜いた穴から、中出しされた機長の精液がトロリと零れてきた。
それを体内に押し戻すように、若菜が細い指で御剣の肛門をくじる。
「うっ……もう、やめ……」
閉じようとした御剣の脚を、機長が力任せに広げて若菜が見やすいようにする。
「ふふ、まだですよぉ、みつるぎさん。もっと気持ちよくしてあげますからねぇ」
若菜が自分のロッカーから取り出してきたバイブを、御剣に押し当てた。
御剣の濡れた穴はたいした抵抗感もなく太いバイブを呑み込んでいく。
シリコンが肉を掻き分ける感触に、声を堪える御剣の太ももがピクピクと痙攣する。
若菜はさらに別の細長いローターを、まだイっていないまま萎えられずにいる御剣の性器に、沿わせる形で押し当てて、落ちないように一緒にコードを巻きつけた。
「電池が残り少なくなってると良いですねぇ、みつるぎさん……」
若菜が2つの玩具のスイッチを入れた。
「――――ッ! ――――ッ!!」
御剣の悲鳴は厚い防音扉に阻まれ、CAルームの外には届かなかった。