抱きあったまま、2人はソファに座りこむ。
執務室に響くのは2人の唾液が混ざる水音と、鼻孔から漏れる荒い息の音。
互いに回した手はそれぞれの背中や髪をまさぐる。
口内で絡み合う舌は互いに求め合って、生き物のように動く。
ちゅぱ、と音を立てて唇を離すと唾液の糸がつうっと伸びて、切れた。
既に頬を紅潮させた御剣が、とろんとした目で成歩堂を見上げる。
薄く開いた口からはぁっと漏れる吐息が悩ましかった。
成歩堂は両手で御剣の頬を挟むように包むと、少し笑ってから言った。
「御剣ってキスがエッチだよね」
「…そう…だろうか…?」
「うん、ぼくもうキスだけで勃ってきちゃった」
成歩堂が言うと御剣は少し照れたような、しかし嬉しそうな顔をして笑った。
成歩堂は御剣の手を取ると、その手を自分の股間に導いて触れさせた。
「…ね?勃ってるだろ」
成歩堂の言葉に御剣は、はにかんだ顔で頷いた。
「ねえ御剣…ぼくのココ、舐めて…って言ったら、怒る?」
御剣の目を恐る恐る覗きこんで、成歩堂が言う。
御剣は少し目を見開いたが、さほど驚いた様子もなくコクリと頷いた。
「え?怒るの?」
成歩堂が楽しげに冗談めかして言うと、今度はふるふると首を振った。
また少し頬が紅潮している。
成歩堂はソファに浅く掛け直し、ファスナーを下ろした。そこで手がぴたりと止まる。
「ねえ御剣…出してよ、ぼくの」
にんまりと笑みを作り、御剣を見下ろす。
御剣は少し戸惑って目線を泳がせたが、すぐにソファから降りて成歩堂の正面に跪いた。
ファスナーはすでに全開で、御剣の手でさらに広げられるとその間に成歩堂の下着が見えた。
「安物のぱんつ履いてきちゃったから恥ずかしいな」
そう言う成歩堂のファスナーの隙間からは、肉に押し上げられて形を変えた下着。
御剣は両手でそっと、下着をおろす。熱を持って膨張を始めた成歩堂の性器がぷるんと飛び出た。
御剣がしばし凝視する。
「恥ずかしいからさ、あんまりまじまじ見ないでくれるかな」
成歩堂が乾いた笑いを漏らす。
「いや…その、嬉しいのだ…」
「嬉しい?」
御剣は目線をそらし、少し口ごもった後小さい声で呟いた。
「わ…私に、興奮してくれて…いるのだろう?」
頬を赤らめてややうつむき気味でそう呟く御剣の姿に、成歩堂の胸が高鳴る。
御剣を捕まえて胸に引き寄せて折れるほど抱きしめたい。そんな衝動に襲われた。
衝動をキスに変えて、御剣の唇に送る。
「そうだよ御剣。お前に興奮してる」
御剣は上目づかいでちらりと成歩堂を見上げる。目が合うとすぐにそらした。
それから成歩堂の膝の間に割り入り、股ぐらに顔を寄せる。
手をそっと添え、透明の液が滴る先端に軽く舌を這わせた。
成歩堂が小さく吐息を漏らす。御剣の熱さをより感じられるように、目を閉じる。
尖らせた舌が成歩堂の先端を、チロチロと焦らすように撫でる。
御剣が感じるところを擦る度、成歩堂の体がピクンと跳ねた。
さらには舌を拡げて、下から亀頭を舐め上げる御剣。
舌で成歩堂の形を感じ取るように、御剣もまた目を閉じる。
「あっ…いい…」
成歩堂が声を漏らした。
手を伸ばし、御剣の髪を撫でる。
成歩堂の手の平が暖かくて、それだけで御剣はじんわりと熱くなった。
拡げた舌はカリ首を中心に、丹念に舐め上げる。
時にねっとりと、時にヘビの舌のようにチロチロと。
御剣の愛撫で成歩堂の性器は脈を打ち、雄の形へと変貌を遂げる。
ピンと張り詰めた先端が、成歩堂自身の体液と御剣の唾液でぬらぬらと光る。
さらに御剣は成歩堂のペニスを少し上向けると、筋張った裏側にぬるりと舌を這わせた。
成歩堂が切なげな声をもらして、身じろぐ。呼吸が荒い。
下から上へ、溶けかけたアイスキャンディーを舐めるように裏筋をなぞる御剣の舌。
成歩堂の勃起を目の当たりにして、御剣のものもまた痛いほどに張り詰めていた。
「御剣…上手いよ…すごい気持ちいい…」
成歩堂が御剣を見下ろす。
御剣は潤んだ瞳で成歩堂を見上げ、目だけで笑った。
成歩堂に舌を這わせながら、妖艶に笑う御剣。
性器への直接的な刺激と同じくらいの視覚的興奮が、成歩堂をゾクリとさせた。
―御剣のフェラ顔、すごくいやらしくて…興奮する
伝えようと思ったが、きっと恥ずかしがって怒るだろうと思ってやめた。
成歩堂の裏筋を丹念に舐め上げた御剣は、先端をゆっくり口に含んだ。
熱い口内の粘膜に包まれ、成歩堂は快感のあまりぶるりと震えた。
じゅる、じゅっ、と唾液の絡む卑猥な音を立てながら御剣が頭を揺する。
閉じた唇が成歩堂の感じやすいところを擦った。はあ、と熱い息を吐く成歩堂。
目を閉じ、口いっぱいに性器をほおばって懸命に動く御剣を、成歩堂は目に焼き付けた。
その時ふと目線を落とすと、御剣のものもまた服を持ち上げてピンと張っていた。
成歩堂はこっそりと靴を脱ぐと、その足先で御剣の股間を撫でた。
「んッ!」
くわえたままの御剣が声を漏らした。抗議の色を含んだ涙目で、成歩堂を見上げる。
「御剣、フェラしてるだけで勃っちゃってるね」
成歩堂はにやにやと笑うとそのまま、足先で張り詰める御剣自身を弄った。
ごりっとした固い感触が布越しに伝わって来る。
御剣は苦しげな声をもらしながらも、なおも奉仕し続けた。
それをいいことに、そのまま足で弄び続ける成歩堂。
口で呼吸できない御剣の鼻孔からふうふうと荒い息が漏れ始めた。
「ふぅ…んッ…ム…」
「御剣…続けて…やめないで」
御剣は拗ねたように成歩堂を睨みつけたが、何も言わず愛撫を続ける。
―そんな熱っぽい目で睨まれたって、全然コワくないぞ
成歩堂はおかしかったが、笑うのはこらえた。
御剣はさらに深く成歩堂をくわえる。ストロークが大きくなる。
じゅぼ、じゅぼっという淫らな唾液音が激しくなる。
御剣の妖艶な表情と淫靡な音だけで、達せる気がした。
その時、とうとう御剣の口が成歩堂を解放した。
唇の端から液体が垂れている。御剣の唾液なのか成歩堂の体液なのか、もしくは両方か。
はあはあと息をつきながら、潤んだ目で成歩堂に言い放った。
「その、足で、触るのを…やめてくれないか」
真剣な顔で訴える御剣がかわいくて、成歩堂はとうとう吹き出してしまった。
「えっ?ああ、ごめん。いやだった?」
「い、いやではない…が…その…」
「ん?」
「き……気持ち良くて、しゅ、集中できない…のだ」
あはは、と声を立てて成歩堂は笑った。笑うな!と御剣が怒った。
「御剣、足で触られて感じちゃったんだ?結構Mっ気があるんだね」
くすくす笑いながら成歩堂が言うと、御剣は反論もせずに真っ赤になってうつむいた。
御剣の頭をぽんぽんと軽く叩いて、成歩堂が言った。
「ごめんごめん、もうしないから。だから、続き…して?」
御剣はコクンと頷いて、再び奉仕し始めた。
あの御剣が自分の性器を口で愛撫している、そう思うだけで成歩堂の興奮は高まった。
事実自分の足元に跪いて、その綺麗な唇で雄の象徴をくわえて一心不乱に動いている
御剣の姿は、今まで成歩堂が見てきたどんなものよりも淫靡だった。
―御剣、その綺麗な顔を、汚れない口を、僕のもので汚したい
ぼんやりとそんな事を思った。
今や御剣は喉の奥まで届いているのではと思うほど、成歩堂を深くくわえこんでいた。
そして成歩堂自身も、絶頂が近いのを感じていた。
「御剣、ぼく、もう、イくかも…」
御剣は成歩堂を見上げ、目で合図した。このまま果ててもいい、と。
御剣の口内は成歩堂の性器を包みこみ、絡みつく。
根元近くを握る御剣の指も、射精へと導く手伝いをする。
「ッ…くぅ…!」
成歩堂はビクンとのけぞった。
瞬間、激しい快感が全身を襲い、熱が一点に集中する。
そのまま御剣の口内へ、欲望の象徴が放たれた。
「んっ…ム…」
始め、懸命に吸い取ろうとしていた御剣だったが予想以上に量が多かったためか、
ついに性器から口を放してしまった。
口内に残っていた白い体液があふれ、御剣の口元を汚す。
お互いにはあはあと荒い息をつきながらも、成歩堂は御剣の様子をうかがった。
紅潮した頬、口元に伝う欲望の証。
―やばい、思ってた以上だ
御剣を汚したことにより得られる背徳感、高揚感、満たされる征服欲。
御剣は一言、すまないと謝った。
成歩堂は微笑んで首を振ると、指先で御剣の口元を拭った。
「ぼくこそごめん、最近たまってたから」
「全部…飲もうと思ったのだが…」
「無理しないでいいよ。苦しいだろ」
成歩堂を見上げて微笑む御剣を、とても愛おしく感じた。
「じゃあ、次はぼくがしてあげるよ」
「え!い、いや、いい!」
「なんだよ、御剣はまだイッてないだろ?ほら、カチコチじゃないか」
成歩堂は御剣を抱え上げソファに押し倒すと、器用な手つきでファスナーを開ける。
御剣はこれ以上ないほどに顔を赤らめ、激しく抵抗した。
「いいから!本当に!やめてくれ!」
「なんだよ、照れるなよ。なにがイヤなのさ」
御剣は顔を背けて、蚊の鳴くような小さな声で呟いた。
「恥ずかしい…のだ」
成歩堂はまた噴き出した。御剣が黙ったままふくれっ面をする。
「何がさ?ぼくのはしゃぶってくれたのに、今さら?」
「じ、自分のを見られるのは恥ずかしいのだ!悪いか!」
子供のように拗ねる御剣が可愛くて、成歩堂はそっぽを向くその横顔にキスを落とした。
「わかった、見ないから。その代わり、こうしよう?」
「…どうするつもりだ?」
「見なきゃいいんだろ?だったらこうするしかないじゃないか」
そう言った成歩堂は開いたファスナーの間から器用に御剣の性器を取り出した。
粘液ではしたなく濡れる御剣の肉の形が、あらわになる。
「や、やめろっ」
「見てないからいいだろう?」
成歩堂は御剣の顔を見詰めたまま、股間に伸ばした手を動かす。
「んッ」
刺激を求めて敏感さを増したそこは、成歩堂の手に擦られるだけで激しい快感をもたらした。
目を閉じて感じ入る御剣の表情が淫靡で、成歩堂はごくりと唾を飲んだ。
「ね、これならいいだろう?」
御剣の耳元に口を寄せ、吐息のような声で囁いた。
御剣は耳まで真っ赤にしながら、小さくかすかに頷いた。
羞恥心も快感には勝てなかったようだ。
一方成歩堂は、手の感覚だけで御剣の勃起を感じた。
目で見るよりもよっぽどいやらしいと思った。
成歩堂の手の刺激に、押し返してくる御剣の固い弾力。
「ん…ッは…なる…ほどう…ッ」
甘い声で名を呼びながら、御剣が身悶える。
先ほど達したばかりの成歩堂も、再び熱を持ち始める。
手を動かしながらも御剣の耳に舌を這わせた。御剣がビクンと跳ねた。
「御剣、気持ちいい?」
喘ぐ御剣がゆっくりと成歩堂の方を向く。
快楽の熱で浮かされた、潤んだ瞳がまっすぐに見据えるので成歩堂はどきりとした。
「んッ…きもち…いい……ぁん」
御剣へ口づけ、むさぼるように唇を吸った。
それに応えるように御剣も成歩堂に吸いついて来る。
成歩堂の手の動きに合わせて、御剣の腰が淫らに揺れる。
―感じてる顔見てる方が、よっぽどいやらしいな
快楽に溺れる御剣の顔を見ながら思った。
泣き声のような嬌声をあげながら、すがるように成歩堂にしがみついてくる。
「だ、だめだ…もう、やめて…くれッ…!」
はあはあと切なく喘ぎながら、成歩堂の手を押し返そうとする御剣。
「なんで?」
「で…出そう…だ…」
今にも泣き出しそうな顔の御剣。
成歩堂はおかしくて、でも愛おしくて、思わず笑みがこぼれた。
「出しちゃえよ。我慢しなくていいよ」
「でもっ、ン、は、はずか…しいっ…んぁっ」
「やだよ、やめない。出してよ、ぼくの手に」
「やぁっ、ん、あっ、んぁ」
成歩堂はさらに激しく手を動かす。
御剣の性器は成歩堂の手の中でパンパンに膨れている。
いつしか成歩堂は御剣の性器を凝視していた。
成歩堂の手の中でいやらしく光る亀頭、脈打つ幹。
「あ、出るッ、んッ、だ、だめ…、んぁ…ッあああ!」
ひときわ大きく声をあげると御剣の体が大きく跳ねた。
成歩堂の手の中にビュルビュルと零れ出る御剣の精液。
その光景を満足そうに眺めながら、絞り出すように性器を扱く成歩堂。
トク、トクと先端から溢れ出る白い液体、それに呼応するようにン、あ、と小さく喘ぐ御剣。
顔を見やると、御剣はソファに沈み込んで胸を上下させながら荒く呼吸していた。
手に着いた御剣の精子をペロペロと舐め取りながら、成歩堂が話し掛ける。
「御剣も…いっぱい出たね」
呆けたようなけだるげな目線をゆっくりと向ける御剣。
成歩堂は御剣の方へ向けて、白く濡れた手の平を広げて見せた。
「ほら、こんなに」
御剣が恥ずかしがって怒るのを分かっていながら、そうした。
乱れた後の御剣もいやらしくていいな、そんな事を思いながらまた口づける。
成歩堂の首に手を回して、キスに応える御剣。
「ねえ御剣…」
「なんだ」
「御剣が、あんまりエッチだからさ…ぼく、また勃っちゃった」
「…」
御剣の視線が成歩堂の股間へ向けられる。下着から漏れ出ているその部分は、
御剣の痴態に反応して再び固く大きく反り立っていた。
「今度は…御剣の中に…いい?」