「わが輩はここで失礼する。これからも完璧な勝利を続けるのだぞ。御剣。」
「ありがとうございます。先生。」

わたしの名前は御剣怜侍。もうすぐ24才になる。
20才の頃から負け知らずで有罪の為なら少々危ない橋も渡ってきた。
これからも渡らねばならぬだろうがそんな事はひとつも辛いとは思わない。
これがわたしの選んだ道だから。犯罪者を有罪にする。これがわたしの使命なのだから。

「………。」

しかしどうしても渡れない橋がある。
過去のトラウマだけは未だに克服しきれていない。
目の前に停まるエレベーターにさえ乗れないわたしを父さんは笑うだろうか?悲しむだろうか?
今日も階段で12階まで上る。苦にはならない。あの鉄の箱に乗る事に比べたら…

(カツンカツンカツンカツン……)

…珍しいな。わたし以外にもこの階段を使う人がいるとは。
まぁ、わたし専用の階段ではないから不思議ではない…か。

(カツンカツンカツンカツン…)

おかしい?わたしの上る速さにあわせている…?
まさか12階までくることはなかろう。
あのフロアは限られた人間しか利用してはいないのだから。


10階…11階…
(カツン…カツン…カツン…カツン…)

わざとゆっくり上れば向こうもゆっくり上ってくる。ドクン…ドクン…心臓の鼓動が速くなる。
非常口の明かりが目立つくらい窓の外は暗く、蛍光灯がおどり場だけを照らしている。
おどり場に掲げられた12という文字を確認し、わたしは一気に駆け上がった。

(カッカッカッカッカッカッカッカッカッ)

来る…。わたしを追って来る。ドッドッドッド…わたしの心臓の鼓動も高まる。
速く…。一刻も速く自室に戻らなければと脳がわたしに命令する。
なにか嫌な予感がすると心がわたしに忠告する。

(タッタッタッタッ…)

赤い絨毯の上を2つの足音だけが12階の廊下に響き渡る。
1202…わたしの部屋だ。素早く鍵を差し込み回す。
追ってくる相手を確認する余裕など無い。滑り込むように中に入る。

(バサバサバサバサ…)

しまった。手にしていた書類を床に落としてしまった。
しかし扉はオートロックだ。わたしが閉めずとも勝手に鍵はかかる。

(………………ガチャリ)




今の音は閉まる音……ではない!?なぜだ?意を決して振り返る。
扉の間には布のようなモノが…そしてゆっくりと扉が開き、人影が廊下の蛍光灯に照らされ黒く浮かび上がった。
部屋の中は暗くこちらからは顔を確認することが出来ない。
恐らく相手には見えているだろう。逆光の中、必死に誰なのかを確認しようとするわたしのしかめ面を。
体格的には同じくらいか…多分一方的に襲われる事はないだろうと思い、立ち上がり手をつかもうとした刹那、
相手が手にしている細長い布のようなモノが目の前いっぱいになる…
みぞおちに相手のひざ蹴りが入る。

(………油断し…た)

そのままわたしは意識も暗闇の中に落ちていった。

次に意識が戻った時はすでに目の前は暗闇で両手首も電気コードのような丈夫な紐で後ろ手に結ばれ
両足首も同様、自由がきかなくなっていた。

「目的は何だ?」

上級検事の部屋に押し入ったのだ。目的はだいたい想像がつく。

「見たい資料を言いたまえ。目隠しをされてはいるがすべて場所は記憶している。さぁ、遠慮せ………う…」

突然口をふさがれた。
いや、これは相手の唇か…?なぜだ…なぜこのような行為を…
背格好からいって多分男なはずだ。


しかも、ものすごく上手い…あぁ…太い舌がわたしの唇をなぞっては歯を舐めつつき、その先を求めてくる…
あ…ふぁ…すごい…こんなに舌を絡められるなんて…初めてだ…
どうしよう…わたしもそちらの唇を舐めてみたい…いや…そちら側にいきたい…
あぁ…その舌で誘導してくれるのか?
どうすればいい…多分…いや絶対…わたしは今、勃起してしまっている。
もう下着は濡れてしまっているだろうな…パンパンに張りつめてしまってるから触られたら気づかれてしまう…
襲われているのに性的な興奮を得てしまってるわたしをどう思うだろうか…恥ずかしい…
でも…触って欲しい…あっ…いやぁ…乳首を…わたしの乳首を探しているのか?
もう少し右…上だ……あぁぁん…はぁ…だめだ…そんなにいじらないで……
耳を舐めないで…そこも敏感なんだ…どうすれば…どうすればわたし自身を解放してくれる?
顔も名前も知らない相手にこんな事を言ってどうするんだ…でも…あぁ…だめ…もう……そんな刺激だけじゃ物足りない…ん……

「…あ…あの…わたしのその…せっ性器も…その…いじって欲しいの…だ…あぁぁん!」


そんなにズボンの上から激しく触らないで…汚れる…!!
下着がもうヌルヌルになってるのに…やめて…早く…はやく…

「はやく…わたしの性器をめちゃくちゃにして…」

………急に愛撫されなくなってしまった…どうしよう。変態だと思われた…。
正直わたしもここまで自分が淫乱だとは思わなかった…
でも止まらない…この衝動が止められないのだ!!

「お願い。好きに…あなたの好きにしてほ……おっ!!」

この匂い…生臭いが…今はものすごい……乱される雄の匂い…
あぁ…男性器の感覚だ…噛めばきっとこの場を逃れられる機会をつかめるだろう…
でも今つかみたいのは………己の欲望の果て…どのようにすれば気持ちいいのだろうか?
このような行為自体初めてだからただくわえる事しか出来ない自分が歯がゆい…
あん!!わたしの…わたしの性器が熱い…まさか…くわえているのか?すごい…舌使いが直にわたしに響いてくる…
やだ…もうイキそうだ…しかし…このままずっと…ずっと生臭さを堪能しつつこの行為に溺れていたい…
わたしも同じような行為をすれば相手も喜んでくれるだろうか…あ…裏筋から先の方までゆっくりと舐められている…



同じように舐めてみるが…は…ん…先から出ているのは見えない相手の汁…か?
あぁぁぁん!!!そんなに先を舌でつつくのはやめ…て…舌をねじ込まないで………
だんだんと頭で考えて相手の性器を喜ばす事が出来なくなる…
もうただひたすらこの熱い塊を舐めるだけ…わたしの性器は相手の口の中いっぱいに納まり強引に出たり入ったりを繰り返している…
あ…腰が…勝手に動く…相手の反動を利用して打ちつけるとすごい気持ちいい…
あん…もう…だめだ…い…く…わたしの欲望が…知らない相手の口の中に…

「い…いやぁぁ…いく!!いくぅぅぅ!!」

はぁはぁはぁ…どうしよう…こんなに乱されるとは思わなかった…
ん…吸わないで…はぁぁん…すごい気持ちいい…そんなに吸われたらまたねだってしまう…

「やめてくれないか…また勃起してしまうから…」

やっ…そんな口でキスされたら…苦い…なんだか飲み込みにくい液体が流れ込む…
口の中いっぱいに自分の精液が広がるなんて…あぁまた…勃起していくのが分かる…
嫌なはずなのに…どうしてこんな反応をしてしまうんだ…あ!
なぜズボンを脱がすのだ?下着もすべて足先まで脱がされていく…


恥ずかしい…おしりを撫で回すのは止めてくれないだろうか…
ん…手が…足が自由に動く?紐を解いてくれたのか?
ふ……もう逃げるなんて選択肢が無い事を見透かされてるとは……わたしも随分と淫乱になってしまったな…
こうして自ら尻を相手に突き出してしまっているのだからな…
きっと菊門はヒクついているだろう…先ほどまでわたしの口中いっぱいにあった相手の性器を求めて…
まさか性器をいじるだけでは満足できず前立腺まで使って快楽を求めていた行為が…
こんな形で実現するとは…しかも知らない相手などに…こんなに興奮してしまうとは…

「あなたのその…肉棒を…わたしの尻の穴に…入れてはくれないだろうか…」

いや…入れて欲しい…もう…ぐちゃぐちゃにかき回して狂わせて欲しい!!
お願いだ…意識なんてモノ…手放すくらいわたしを…この快楽に堕ちてしまったわたしを…

「はやく入れてくれ!お願い…もう待てない…んだ…」

自ら菊門を広げ腰を動かす…なんて様だ…なんて無様…いや破廉恥というのだろうか…
この際、体裁など構ってはいられない…今はいつもの冷たく固い道具よりも
熱い…どんな動きをするのか予測できないモノが欲しいのだ…



ん…わたしの汗ばんだ腰に相手の手があてがわれる。
ドクン…ドクン…先ほどとは全く違う意味で心臓の鼓動が速くなる。
期待と興奮で相手が肉棒を押し込む前に自ら動いて誘い込む…
あぁ…熱い…簡単にのみこんだわたしを相手はどう思っているのだろうか…
驚いているのだろうか?それとも喜んでいるのだろうか?
どちらでもいい…そんな事…もうどうでもいい…

「激しく動いて…乱暴にしてもらって構わないから…お願い……あ…ん!!」

やぁ…あ…あぁん………すごい…これが…本物の肉棒の感触…
偽物の感触なんて足元にも及ばない…いい…すごく…い…いぃ……
相手も凄い乱暴に、しかし的確にわたしをついてくる…あん…あ…あ………あ…

「そこ…いぃ…もっと…もっと激しくついて!!」

はぁはぁはぁ…もうだめだ…く…る………快楽がわたしの………中に…

「あん…あっ…い…いやぁぁぁ!!!!」

はぁぁ…もっと…もっと欲しい…ゾクゾクと首筋に鳥肌が立つのが分かる…
つき続けて欲しい…こんなわたし…淫乱なわたしを…
意識がトぶくらい…
壊れるくらい…辱めて…

「注ぎこんで!あなたの熱い欲望を……わたしの中にいっぱいにして欲しい!!」

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