小学校に入学したばかりの頃から、私には家庭教師が付けられていた。
仕事で多忙な父が私の勉強を見ることができないと、気にかけてくれたからだ。
今思えば小学生に家庭教師までつけなくても…と思わなくもないが、
あれも私に対する父の期待の表れだったのだろう。

仕事柄、大学関係者の知人が多かった父。
家庭教師は、大学教授らの紹介でやって来る地元の大学生達だった。
“達”というのは、あの事件が起きるまでの間に二人の家庭教師がついたからだ。
卒論を控えた一人目の学生が辞め、引き続き新しい家庭教師がやって来た。
彼らは二人とも成績や教え方については申し分なく、いわば優秀な家庭教師達だった。


ただ、二人目の家庭教師についてはそれだけではなかった。
もちろん彼が優秀ではなかったという事ではない。
むしろ真面目で堅物だった一人目の学生にくらべて、
明るく社交的だった2人目の教師の方を父は気に入っていたようだ。
人当たりがよく、いわゆる世渡り上手というタイプの人間だった。

彼は子供も好きらしく、私に対してもとても優しかった。
人付き合いが苦手でなかなか他人と打ち解けられない私でも、
4,5回も会えばずいぶん懐いていたように記憶している。

家庭教師の先生が来るのは毎週2回、決められた曜日だった。
父の帰りはたいてい夜遅かったので、先生と夕飯を一緒にとることも多かった。
元々勉強も好きな私だったが、先生の来る日が毎週楽しみであった。
話し上手の彼が聞かせてくれる話題はいつも新鮮で、子供の私にとっては夢の世界だった。
彼の話を聞くのが私はとても好きだった。

あれは年末も差し迫る、12月の事だった。
その頃父はことさら忙しく、帰宅が深夜近くに及ぶことも多かった。
そんな私のために先生は、約束の時間が過ぎても好意で居残ってくれていた。
夕飯も終わり自室で二人過ごしていた時、先生が言った。

「怜侍くん、お茶入れようか?あったまるよ」

彼は我が家のキッチンをある程度自由に触れる程度には、父の信頼を得ていた。
また私も彼が煎れてくれる紅茶が好きだったので、喜んで同意した。
10分ほどして、トレーにティーカップを乗せた先生が戻ってきた。
私の部屋に満ちた紅茶の香りを、今も思い出す。
彼は手土産に持参したクッキーも振る舞ってくれた。
それを食べながら、二人で小さいテーブルを囲んだ。

10分ほど経った頃だったかと思う。
私は自分の体が妙な倦怠感に襲われていることに気が付いた。
妙に手足が重い。
ティーカップを持ち上げているのすら苦痛になり、私はカップをソーサーに置いた。
カチャン、という陶器のぶつかり合う音が意外に大きく響いた。

その音で、先生が顔を上げこちらを見遣る。
私は何とか自分を律しようとした。
先生がいらっしゃるのだから、きちんとしていなければ。
そう思う意思とは裏腹に体の倦怠感は酷くなるばかりだった。
しまいには手足の先が痺れ、力が入らない。
さすがにまずいと思った。具合が悪い、とでも告げて休ませてもらおう。
そう言おうとして顔を上げた時だった。


目の前に、初めて見る先生の顔があった。
いつも穏やかに優しい笑みをたたえている彼だったが、
その時の笑顔は初めて見る種類のものだった。
顔は笑っているのに、その表情はなぜか私の不安を煽った。
今ならその表情に与える名前がわかる。
彼はテーブルに肘をついて、私を見ながらほくそ笑んでいたのだった。

「怜侍くん、どうかしたの?」
「先生、あの…実は、ちょっと体の具合が…」

私がそう言うと、先生はにっこりと微笑んだ。

「そうか、効いてきたみたいだね」
「…?」

言葉の真意が分からずに、私はきょとんとして先生の顔を見つめた。

「手足がだるくて、力が入らないんだろう?」

楽しそうだった。

「え…は、ハイ…」
「大丈夫。その薬、効果時間そのものは短いらしいから」

にっこりと笑う顔は、いつもの先生と変わりなかった。

「せ、先生…?」
「最近は薬学部の奴らも楽しい薬持ってるんだなあ」

先生は誰ともなく独り言のように呟くと、持っていたカップをソーサーに置いた。

「怜侍くん、先生が楽しいこと教えてあげる」

笑顔の先生が、私の方ににじり寄って来る。
私は訳も分からずただ漠然とした不安を感じた。
私の怯えを表情から察したのだろう、私のすぐ傍まで来た先生はとても優しい声で言った。

「大丈夫だよ怜侍くん、怖いことはしないよ。とっても気持ちいいことなんだ。
 怜侍くんも喜ぶと思うよ」

先生の初めて見るような妖しい表情と、体の自由が効かないことで私の頭は恐怖感に支配された。
先生に掴まれて私は体をびくりと震わせた。涙声で必死に抵抗しようとした。

「先生…怖いよ…」

しかし私の言葉に耳を貸さず、がっちりと体を捉えてくる彼の手が私の体を這う。

「怜侍くんは、オナニーしたことあるの?」

オナニー?

聞いたことがあるような気はしたが、その言葉が持つ意味までは知らなかった。
知らない、という意味で私はふるふると首を振った。

「そうなんだ。じゃあ、先生が教えてあげる」


先生は私の体を仰向けに倒す。
抵抗して起き上がろうとするも、瀕死の虫のように惨めにジタバタと蠢くしか出来なかった。

「大丈夫…怖がらなくていい。優しくするから」

先生が私の着ていたセーターを胸の上辺りまでめくり、次にズボンからシャツの裾を引き抜いた。
シャツも同様に胸の上まで引き上げられ、私の肌があらわになった。

「いやだ、先生やめて」

恥ずかしさでどうにかなりそうだった。
私が声をあげると、先生は人差し指を自分の唇に当てた。

「静かに。うるさくされちゃうと、無理矢理口を塞がないといけなくなっちゃうから」


冷静に言い放った彼の表情に、私はさらなる不安を募らせた。

「怜侍くんの肌は、色白で綺麗だね…」

先生の掌が私の肌を撫でる。腹部から脇腹を沿い、今は服の下に隠れている鎖骨を指でなぞる。
その絶妙な力加減に、ぞわぞわとくすぐったさを感じた。

「先生…やだよ…なにするの…」
「いいことだよ、怜侍くん。」

先生の指が、私の小さい乳首をピンと弾いた。

「やっ…!」

敏感な部分を不意に刺激され、思わず声をあげた。

「怜侍くんは、感じやすいのかな?」

先生の指が、執拗に私の乳首だけを擦ってくる。

「先生、い…痛い」
「痛い?ごめんね、じゃあ…舐めてあげようか」

彼は指で弄るのをやめて、私の胸に舌を這わせた。
ぬるりとした生暖かいものが肌をつたう、初めての感触に私はぶるりと身震いした。

「先生っ…なにっ…これ…」

私の言葉には耳を貸さず、彼は私の小さい乳首を好きなように弄んだ。
舌先を絡めたり、唇で挟んだり、時には激しく音を立てながら愛撫した。
何故こんな事をされているのか、早く時が過ぎて終わって欲しい、そんなことをただ考えていた。

「怜侍くんはいやらしいなあ…エッチで…かわいいよ…」

愛撫を続けながらも彼が言う。何を言っているのか分からず、戸惑うばかりだった。
今思い返して見れば彼がくれた優しさは全て、私への劣情から来るものだったのだろう。


乳首への愛撫はさらに続けられる。
最初は不快でしかなかった刺激が、いつしか私に違うものをもたらし始めた。
彼の舌や唇が乳首を擦るごとに体を走る、ぞくぞくとした感覚。
自然と息が上がる。体が熱くなる。自分自身の反応に、戸惑う。

「ん…ふぅ…っ」

声を漏らす私を見て先生は満足そうな表情を浮かべた。

「怜侍くん、感じて来ちゃった?」

“感じる”という言葉の意味が分からずに、私は答えるのを拒んだ。
しかし、私のそんな反応すら彼の劣情を助長するものでしかなかったようだ。

「怜侍くんが感じてる顔、とってもエッチだよ…先生にもっと見せて」

彼は次に、指で私の乳首を弄び始めた。
くにくにと指で摘んだと思ったら爪先で弾くように擦り、
指の腹でぎゅうっと潰して来たと思えば軽い力でかすかに撫でる。
緩急をつけた指での愛撫は、私に先の感覚よりもさらに強いものを与えた。
その感覚に付けられた名前が“快感”だということは当時の私には知る由もなかったが。


「やあっ…ん…あぁんっ…」

顔が火照る。体が熱い。特に下半身にびりびりとした感覚が走る。

「乳首でこんなによがっちゃうなんて、怜侍くんは淫乱だね」

やはり、先生が言っていることの意味はわからない。
しかし、自分が今辱められているのだと言うことは何となく分かった。

「そんなに感じちゃって、怜侍くんのおちんぽどうなってるかな?」

先生の手がズボンの上から私の股間に触れた。

「やだっ…!」
「怜侍くん、おちんぽ勃ってるよ?」

クスクスという笑い声が聞こえた。
ズボンと下着を下げられ、私の股間が剥き出しになった。
恥ずかしい場所を他人にさらけ出していることがたまらなくて、私は必死に抵抗した。

もちろん、手足は動かせないので口でだが。

「先生、やだ!やめて!」
「怜侍くん、静かにって言っただろう?口ふさいじゃうよ?」

大きな手で口元を覆われた。
声を出そうにも、くぐもった呻きにしかならない。

「怜侍くんのかわいいおちんぽ、勃起しちゃったねえ。乳首気持ち良かった?」

にやにやと笑う先生の指が、ついに私のその部分をつまんだ。
「んぅっ!」
体がビクンと跳ねる。またクスクスという笑い声が聞こえた。

「怜侍くんはホントにエッチだね…おちんぽ触られて、気持ちいい?」

指先で性器をこねられる。びりびりとした激しい刺激が体を貫いた。

「んんーっ、んっ!んっ…んん!」

何かが体を貫き、体が激しく痙攣する。
性器から何かが出る感覚がした。おしっこを漏らしたのだと思った。
同時に全身を襲う倦怠感。だらりと脱力し、はあはあと息を吐いた。

私の口元から手を離し、楽しげに笑う先生。

「ほら、怜侍くんザーメン出たよ!初めて?」

先生はこちらに手を広げて見せた。指に絡み付いている、やや白く濁った粘液。
最初は、それがまさか自分の体から排出されたものだとは思わなかった。

「怜侍くん、これがザーメンだよ。男が“イク”と出るんだ。
 怜侍くんイッちゃったんだよ?」

そう言いながらも先生はさらに、私の乱れた着衣を脱がしにかかる。
まだ、何かされるのだろうか― 朦朧とした頭で思った。

「怜侍くんは初めてでイッちゃう淫乱だから、こっちでもイけるかもね?」

全裸に剥かれた私の両足を、自分の両肩にかける先生。
必然的にわたしの股間が先生の真ん前にさらけ出される。
あまりにも恥ずかい格好だったが、もはや抵抗の意思も力も残っていなかった。

「怜侍くんのおしりの穴も…ちっちゃくてかわいいね…」

先生の舌が私の肛門をなぞった。
さすがに激しい嫌悪感に襲われたが、先生の指が再び乳首をこね回し始めたので意識が分散する。

「あっ…やっ…ぁう」

先生は私の汚らしい場所を念入りに舐めた。
さらに私の腰を掴みぐっと上向けると、肛門に向かってたっぷりと唾液を垂らしはじめた。

「いっぱい濡らして、ゆっくりほぐしてあげるね」

先生は唾液まみれになった私の肛門に、指を挿し入れてきた。
痛みと違和感で思わず声があがる。

「いっ…やっ…あぁぁ!」
「最初は痛いかもしれないけど、我慢してね怜侍くん…怜侍くんは男の子だから、できるよね…」

ぐにぐにと指で広げられる穴。苦痛と恐怖のため声をあげたが、再び手で口元を覆われた。
体内に異物が混入してくる違和感と恐怖感、そして肉体的な苦痛。
口を覆われていなければ声の限りに泣きわめいただろう。目から大粒の涙が溢れた。

「怜侍くん痛いの?もうちょっと我慢して…もうすぐよくなるよ…」

ねじ込まれた指は私の体内を好きなようにまさぐる。

「ふう…指、入りきったよ怜侍くん。
 僕の指が出入りしてる怜侍くんのおしりの穴、すっごくエッチだよ…」

やめてほしいのに、もう声にすらならない。


「あ…ここかな?怜侍くんのイイところ」

先生の指が、私の体内のある一点を擦りだした。
すると、徐々に体全体がふわふわと浮遊するような感覚に襲われてくる。
涙は乾き、苦痛の声は嬌声に変わる。

「あっ…はぁっ…んっ…ぅ」
「あ、やっぱり怜侍くん感じて来てるね。気持ちいいでしょ?おちんぽ勃ってきたよ」


指が出入りするたびに肛門からくちくちと小さな音が立つ。
その一点を擦られる度、腰が浮くような感覚に襲われる。

「怜侍くん、おしりもちんぽもすっごくいやらしいよ…俺もうたまんないよ…挿れちゃいたい…」

先生が私の中から指を抜いた。
先までの感覚が突然失われて、私の体が続きを求めて揺れた。

「怜侍くんってすっごいエッチな体してるね…
 指挿れただけで腰振って、アナルひくひくさせてるんだもん」

先生は興奮気味に言いながら、服を脱ぎ去った。剥き出しの性器を私の鼻先に突き付ける。

「怜侍くんどう?俺のちんぽ」

初めて見る、成熟した性器の屹立するグロテスクな形。
それが人間の体の一部だと、にわかには信じられなかった。
一体、これをどうしろというのだろう―
そう思っていると、先生はまた私の両足を担ぎあげた。
今度は私の足を自分の腰に絡ませるように引っかけ、腰を掴んできた。
はあはあと荒い息を吐きながら、先生は股間にそびえ立つ勃起した性器を私の肛門へあてがう。
これから起ころうとしている事を予感して私は戦慄した。

「やだっ!やめて先生!いやだ!」
「大丈夫だよ怜侍くん…ゆっくり、優しくしてあげるから…」

恐怖で思考回路が停止し、頭がまっ白になる。
私の未熟な肛門に、大人の雄がぎちぎちと割り入ってくる。
体が引き裂かれるかのような痛み。

「やあぁぁぁぁ!」

息ができない。
逃げようとするにも、しっかりと腰を固定されており身じろぎ一つできない。

「い…痛いよ…!やだ…っ!や…やめてぇ!」

悲痛な叫びもむなしく、先生は恍惚とした表情で私の中を味わっているようだった。

「ああ…っきっつぅ…イイ〜…」

身勝手な欲望を打ち付けられる。
膨張した性器が私の肛門を出入りする度、気絶しそうなほどの苦痛が襲う。
いっそ気絶してしまえればよかったのだがそれも叶わなかった。

「…あぁ〜…イイよ…怜侍ィ…ほら…お前のアナルに俺のちんぽ入っちゃってるよ…」

はっはっと短い息を吐きながら先生が腰を打ち付けてくる。
ふと、苦痛のあまりに放心している私を見た彼がハハッと笑った。

「痛いのか?しょうがねぇなぁ…じゃあ、よくしてやるよ」

角度を変えて、浅めに突いて来る。
さっき覚えたばかりの感覚が再び強く蘇る。痛みとは違う感覚が生まれる。

「ここだろ?ここがイイんだろ?怜侍」

性器の先端が体内の一点を執拗に擦りあげる。
浮遊するような、ぞくぞくとした感覚が全身を走り抜ける。

「んぁっ…ふぅ…はンっ」
「お前はホント、スケベなガキだよ、ケツの穴突かれてよがりやがってさ」

蔑むような笑いが降って来る。
それでもなお、擦られる度に全身を襲う感覚に支配され逃れられない。

「あんっ、ん、はぁっ、んぁ」
「アハハ、掘られてちんぽ勃ってんぞ!どんだけスケベなんだよ」

手足の痺れはいつの間にか取れ、いつしか私は先生の腰に足を絡め、自ら腰を振っていた。
頭は熱に浮かされたように朦朧とする。
それが快感という名前の感覚だとは知らないままに、私はそれの虜になっていた。
気付いた時には先生にしがみつき、自ら欲する私がいた。

「あん、あっ、せ、せんせ、もっと、もっと突いてぇ、あんっ」

そんな私を見る先生の目付きが変わっていた。
息を飲み、目を見張る。

「れ…怜侍…」

しかし、あの時の私にはそんな些細なことなどどうでもよかった。
肉同士が絡み合ってもたらされる強烈な感覚を貪欲に求めた。
やがて体の底から沸き上がって来るような感覚が、頭の中で白く弾け散った。

「あっあぁっ…っあああん!」

私は先生の腰に強く絡みつき、うち震えた。激しい痙攣が続く。
同時に、性器から何かが排出された感覚もした。
今度は、漏らしたとは思わなかった。

痙攣が終わると、今度は全身が脱力した。
体内に先生の肉を飲み込んだままだらりと仰向ける。

「なんだよこのエロさ…ありえねぇ…」

放心していたのは、先生も同様だったようだ。


その日から私は先生の慰み者として日常的に抱かれた。
父に嫌悪されることが怖くて、先生との事はずっと黙っていた。
その父が亡くなって家庭教師を取ることもなくなり、先生と私の関係は終わった。


しかしその後の人生でも、私は師と仰ぐ人と再び同じ過ちを犯すのである。

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